ランナーに必須な糖質、、、摂りかたを間違えると、、、、
2018.3.10
こんにちは。
ランナーのみなさんは普段の食事で糖質はしっかり摂られている方が多いのではないかと思います。
しかし、糖質は摂りかたを間違えると、体内で体に害を及ぼす現象が発生することがあります。
それは「糖化」と呼ばれる現象です。
本日は、その「糖化」についてお話していきます。
糖は生きるためのエネルギー源として不可欠な栄養素ですが、糖を一度に大量にとりすぎると血中の糖の量が急激に増え、血糖値も上昇します。
しかし、人間の体が一度に消費できる糖の量には限界があり、消費しきれなかった糖は血中に残ってしまいます。
この残った糖がたんぱく質と結びつくと、AGEs(最終糖化生成物)という物質が生成されます。
この現象のことを「糖化」といいます。
AGEsが体に及ぼす影響
では、たんぱく質がAGEs化すると実際にどんなことが起こるのでしょうか。
骨はカルシウムだけではなく体積の半分がたんぱく質の一種であるコラーゲンからできていますが、そのコラーゲンにAGEsが蓄積すると、骨は本来のしなやかさを失って、力がかかると折れやすくなってしまうのです。
ランナーにとって疲労骨折は避けたいですよね。
また、血管にAGEsが蓄積すると血管のつまりを早め、動脈硬化を進めてしまいます。
眼のレンズである水晶体もAGEsの影響が出やすい部位であり、AGEsの蓄積により白内障の原因になることもわかってきました。
そのほかにも、DNAを傷つけ、老化を促進してがんなどの深刻な病気を引き起こす原因にもなります。
活性酸素が引き起こす酸化作用は「サビ」にたとえられますが、このAGEsの酸化作用は、物質を褐色に変える反応を引き起こすことから「焦げ」にたとえられます。
そこで、糖質は正しい摂りかたをし、糖化を防ぐことが重要です。
糖化を予防するためには、、、
①吸収の速い糖は控える
体内での吸収スピードが速い糖を使った食べ物ほど、糖化を起こしやすいことがわかっています。
なかでも単糖類は一度に大量に摂り過ぎると血中のブドウ糖量が増えすぎてしまうため、糖化が発生しやすくなります。
また、精製度の高い糖を使った食品にも要注意です。甘いものを食べるなら、精白等を使っていることが多い洋菓子や菓子パンよりも、急激な糖の吸収を抑えてくれる食物繊維が含まれたあんこなどを使った和菓子のほうが好ましいです。
清涼飲料水を過度に飲むことも避けたほうがよく、ちょっとした水分補給なら水やお茶でもじゅうぶんです。
高温で調理した食品のほうが糖化は起きやすいことがわかっています。そのため、加熱調理をした食品を食べる場合には、揚げものよりはサッと焼いた食品や、蒸した食品を食べるほうがベターです。
②糖化を防ぐ食品を摂る
AGEsの生成量を抑える効果をもつことが証明されている食品がいくつかあります。これらの食品をいっしょに摂ると糖化の害を減らすことが可能です。
トレーニングやレースの前・中・後は除いて、通常の食事のときには、吸収スピードがおだやかな糖を摂るようにすることが最善策といえ、おすすめは食物繊維と糖がバランスよく含まれた穀類やイモ類などの炭水化物です。
また、食物繊維豊富な野菜や海藻、きのこ類もAGEsの生成量を減らす食品です。
そのため、糖質摂取量を増やさざるを得ないランナーにとって、食物繊維豊富な食品は救世主的存在といえるのです。
それに加えて、ハーブティーやアーモンド、しょうがといったAGEs生成抑制効果があることがわかっている食品を多めに摂れば、糖化の害から体を守ることができます。
以上のように、これからは糖質の量、摂りかたにはじゅうぶん注意し、今後のマラソン大会に向けて体のコンディションを調整しておきましょう。
本日は以上です。
ありがとうございました。
参考文献
RUNNING style アーカイブ 42.195kmの必勝攻略法 エイ出版社 (2017)