ランナーズBlog

ランナーのための栄養学およびサイエンス

ランニング中に音楽を聴くとパフォーマンスが向上する?

2018.5.1

 

こんばんは。

 

ランナーのみなさんは、ランニング中に音楽を聴いてますか?

僕は毎回自分が好きな音楽を聴きながらランニングしてます ^ ^

 

今回はそんな音楽とランニングについてのお話です。

 

音楽は人の精神に強い影響を与えるといわれています

技術が進歩したおかげで、ランニング中に音楽を聴くランナーの数は急激に増えています。

どんなタイプの音楽が一番やる気を起こさせるのかを、数多くの研究が探ろうとしてきました。

例えば1990年代からロンドンのブルネル大学のコスタス・カラジョージス博士が、この問題についての幅広い調査を行ってきました(1)。

そして何百もの研究から、やる気を高める音楽を選ぶときに非常に役立つ理論を構築し、磨き上げてきました。

 

カラジョージス博士の理論は、音楽に関係する特定の要因を大きくふたつに分類しています。

ひとつはリズムやハーモニー、歌詞の意味などの内在的な要因。

もうひとつが文化、年齢、その曲との個人的な関係など、その曲の外部にありながらも、曲と密接に関わっている要因です。

博士の研究チームはこのふたつを念頭に置きながら、さまざまな曲の“やる気指数”を評価できる尺度を開発しました。

このやる気指数が高いほど、人はその歌にやる気を覚えるそうです。

チームの研究の成果から、4/4拍子の速いテンポの、気分を高揚させる歌詞の曲のほうがやる気指数が高いという、大まかな原則が浮かび上がったというのです。

 

もちろん、音楽の好みはさまざまなので、誰かのやる気を引き出す曲がほかの人のやる気も引き出すとは限らないのです(2)。

個人の選択には文化、年齢、過去の経験などが介在し、人格形成期の個人的な思い入れのある曲には、やる気を大きく引き出す効果があります。

 

やる気を起こさせる音楽は覚醒度を高めやすく、人をより興奮させ、活力を覚えさせます

これに対し、鎮静作用のある音楽は覚醒度を下げて、穏やかな気持ちにさせるのです

パフォーマンス向上戦略としての音楽の有効性で大事なのは、自分の望む感情(例えば、緊張や興奮のみなぎった状態なのか、穏やかで落ち着いた状態なのか)をはっきりさせて、その状態に合う適切な音楽を選ぶことです。

そういうふうに使えば、音楽はパフォーマンスに適した心理状態になるうえで、有用な手段になることがわかっているのです。

 

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普段ランニング中に音楽を聴かないランナーの方も一度は音楽を聴きながら走ってみるのもいいかもしれないですね。

そして、自分に最適な音楽を探してみてくださいね。

より良いパフォーマンスの向上が期待できるはずです。

 

 

 

本日は以上です。

ありがとうございました。

 

 

 

 

参考文献

(1) Costas I. Karageorghis, Peter C. Terry, Andrew M. Lane, Daniel T. Bishop, and David Priest, “The BASES Expert Statement on Use of Music in Execise” Journal of Sports Sciences 30 no. 9 (May 2012): 953-956.

 

(2) Costas Karageorghis, David Priest, Peter Terry, Nikos Chatzisarantis, and Andrew Lane, “Redesign and Initial Validation of an Instrument to Assess the Motivational Qualities of Music in Exercise: The Brunel Music Rating Inventory-2” Journal of Sports Sciences 24 no. 8 (August 2006): 899-909.