足が速くなる栄養素⁉
2018.4.9
こんばんは。
足が速くなる栄養素、タイムが縮まる栄養素はあるのでしょうか?
実際にそれを検証した研究結果があるので本日は紹介したいと思います。
若い女性に不足しがちなミネラルなどの栄養素を補充することにより、体力向上の効果がみられたというものです。
この研究では若年女性28人を対象に、その半数に数種のミネラルと栄養成分の混合物を1か月間摂取してもらった群(試験群)、残りの半数にはプラセボ(偽薬)を摂取してもらった群を比較しました。
ミネラルと栄養成分の混合物には、鉄・銅・亜鉛といったミネラルのほかに、2つの栄養素、カルニチン(アミノ酸由来のビタミン様物質)、ホスファチジルセリン(リン脂質の一種)が含まれています。この2つの栄養素は細胞機能に必要で、体内でも生成されますが食べ物から摂ることもできます。
1か月後、試験群では中距離走(3マイル(約4.8㎞))のタイムが平均で約1分短縮したというのです(26.5分→25.6分)。また、エアロバイクを25分間漕いだ場合の走行距離がのびた(平均6マイル→6.5マイル)ほか、階段昇降運動の成績も向上した(平均40回→44回)とのことです。この変化は統計的に有意であり、プラセボ群には認められなかったのです。
以上のように、鉄・銅・亜鉛、カルニチン、ホルファチジルセリンの混合物は足が速くなる可能性のある栄養素といえるかもしれません。
鉄は牛赤身肉やレバー、カツオ、マグロ、ホウレン草、ブロッコリー、小松菜などに多く含まれています。体内で鉄が不足すると貧血を起こしやすくなるので注意が必要です。
銅は牡蠣(かき)、豆類、種実類に多く含まれています。体内で銅が不足すると貧血、骨異常、脳障害が引き起こされます。
亜鉛は牡蠣、レバーなどに多く含まれています。不足すると味覚障害や嗅覚の低下などの症状があらわれます。
カルニチンは食肉類、とくに牛肉に多く含まれています。不足すると、筋肉痛、低血糖、脂肪肝といった症状がみられます。
ホスファチジルセリンは大豆に含まれています。しかし大豆にも非常にわずかしか含まれていないため、サプリメントの摂取が効果的と思われます。不足すると、脳の老化・痴呆・精神不安定な状態を引き起こします。
マラソンで好記録をねらうためにも上記の栄養素を積極的に摂るのもいいかもしれませんね。
本日は以上になります。
ありがとうございました。
参考文献
Robert A. DiSilvestro, Staci Hart, Trisha Marshall, Elizabeth Joseph, Alyssa Reau, Carmen B. Swain and Jeason Diehl. “Enhanced aerobic exercise performance in women by a combination of three mineral Chelates plus two coditionally essential nutrients” Journal of the International Society of Sports Nutrition (2017 )