ランナーズBlog

ランナーのための栄養学およびサイエンス

ランニングウエアの重要性

2018.3.19

 

こんにちは。

 

ランニング中に脱いだトレーナーを腰に巻いて走っている人をたまに見かけることがあります。

それはランニング中に深部体温が上がるせいで、ランニングに適さないウエアだと急速に不快になるからです。

 そこで通気性のある生地の出番となるのです。

 

そこで今回は、ランニングウエアの重要性についてのお話です。

 

体から水分を逃がす、風通しのいい生地でできているウエアは、どんなランナーにも必須のギアです。

素材にポリエステルやナイロンが使われているウエアは走りを快適にしてくれます。

そういう生地なら、水分を生地の表へ逃がして蒸発させます。

この特性のない衣類は汗を空気中に蒸発させず、肌で水滴にしてしまいます。

暖かい気候だと、そのせいで過熱状態に陥る一方で、周囲の気温が下がるといやな汗冷えに見舞われかねないのです。

綿やウールは水分を逃がさず、吸水性があるので、濡れると急激に重くなって不快感を覚えます

 

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 ここで、体温調節について少しだけ補足です。

そもそも汗は体温調節のためにあります。

それはちょうど「打ち水」と同じで、汗が蒸発すると皮膚の表面から気化熱をうばって熱を拡散し、体温を調節しているのです。

汗1gの蒸発は0.58kcalの熱をうばいます。たとえば100gの汗をかき、それがすべて皮膚から蒸発したとすると、体重70kgの人ならば体温を約1℃下げることができるのです。

ですから、蒸発をせずにからだの表面からしたたってしまった汗は、本来の目的を達成できなかったムダな汗となってしまうのです。

発汗は、体内にたまった熱を放出し、一定の温度を保つためにあると思ってください。

 

つまり、快適にいい走りをしたいと思うのなら、走行中の体温調節がうまくいくかどうかがカギとなるのです。そためにも汗を効率的に蒸発・乾燥させるウエアを着て体内に熱がこもらないようにすることが重要になってきます。

 

ランナーのみなさんは、ランニング中に熱中症にならないよう通気性のいいウエアで走ってくださいね。 

 

 

 

ーコラム↓ー

熱中症の予防として牛乳を飲むことが効果的であるとされる報告があります(1, 2)。

具体的には、運動後30分以内に牛乳を飲むと循環血液量が増えて発汗量が増し、より効果的に暑さに慣れるというものです。

牛乳に含まれるたんぱく質をとることで、筋肉量が増えること、それにより循環血液量が増えているようです。

本格的な暑さの訪れる前の5月、6月にこの方法を試してみると、夏本番の熱中症対策になると思われます。

運動中は難しくとも、運動が終わった後の水分補給を牛乳に切り替えてみるのもいいですね。

 

 

 

 本日は以上です。

ありがとうございました。

 

 

 

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参考文献

(1)牛乳による熱中症対策の有効性(2014)

https://www.j-milk.jp/tool/hodo/berohe000000hpbn-att/berohe000000hpet.pdf

 

(2)大学陸上長距離選手のコンディションや競技パフォーマンスに及ぼす牛乳たんぱく質強化乳飲料摂取の影響

http://sports-performance.jp/paper/1613/1613.pdf

 

(3)ジョン・ブルーワーほか著 ランニング・サイエンス (2017)

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