カフェイン摂取により良い走りができるのか?
2018.3.5
こんばんは。
本日は、カフェイン摂取により良い走りができるのかについてお話します。
カフェインは強壮効果のある物質であるといわれています。
もちろん摂取量と摂取タイミングによって体の反応も異なります。
カフェイン量が少なすぎるとパフォーマンスの向上には足りないし、多すぎると不安、震え、動悸などの副作用の危険があります。
運動前か運動中のカフェイン摂取は、不快感や倦怠感の減少、敏捷性の向上に関与することがわかっています。
運動の45~60分前に、通常は体重1kgあたり5mgのカフェインを摂れば、持久走やランニングのパフォーマンスを3~5%向上させられることが、研究で立証されています。
体重60kgのランナーなら摂取量は300mgと大量になります。
ちなみに、エナジードリンクのカフェイン含有量は250mlのペットボトル1本あたり69mgであるのに対し、コーヒーはマグカップ1杯(355ml)あたり約136mg含まれています。
また、カフェイン摂取(5mg/kg)によって筋肉痛が軽減されたという報告もあります。
カフェインの運動機能向上の機序について
カフェインによる運動能力向上の機序の解明は、未だ確定するまでに至っていない部分もあるようです。
最近まで、運動機能に及ぼすカフェインの効果は、遊離脂肪酸の酸化を促進に起因し、その結果として筋肉内のグリコーゲンの供給促進につながると説明されてきましたが、それ以外の機序も考えられるようになっているみたいです。
カフェインの運動向上作用は有酸素運動において顕著であることから、主として脳内アデノシン受容体を介してノルアドレナリン産生を促進し、エネルギー産生を高めたり、骨格筋や心筋における血流量を高めたりすることで、発現すると結論されるようになりました。
さらに、カフェインは中枢神経を刺激して、消耗感、痛覚の自己評価を軽くしたり、活力を高めたりする可能性があり、これらの指標は全て行動遂行の改善につながっています。
カフェインを使ってのパフォーマンスの向上に興味のあるランナーのみなさんは、最良の結果を生むカフェイン量を見極めるために、トレーニング中に試しておくといいかと思います。
ですが、カフェインの過剰摂取には注意してくださいね。
本日は以上です。
ありがとうございました。
参考文献
・ジョン・ブルーワーほか著
ランニング・サイエンス 河出書房新社 (2017)
・Gliottoni, R.C., Meyers, J.R., Arngrimson, S.A. et al. (2009):Effect of cffeine on quadricep pain during acute cycling exercises in low versus high caffeine consumers.
Int. J. Sport Nutr. Exercise Metabol. 19, 150-161.
・Ganio, M. S., Klau, J.F., Casa, D.J. et al. (2009):Effect of caffeine on sport-specific endurance performance:A systematic review.
J.Strength Cond. Res. 23, 315-324.
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