ランナーズBlog

ランナーのための栄養学およびサイエンス

ランナーの敵? 脂肪の蓄積について

2018.2.12(Mon)

 

こんにちは。

 

 前回ヒトの各臓器には活発に活動する時間帯があり、夜遅くからの食事の食べすぎは肥満の原因になることを紹介しました↓↓

nutrition-time.hatenablog.com

 

 実はもうひとつ、「時計遺伝子」の観点からも夜の10時以降から深夜2時までに食事をとると太りやすくなることがわかっています。そこには、脳の体内時計をつかさどる時計遺伝子にかかわる「Bmal1 (ビーマルワン)」と呼ばれるたんぱく質がかかわっています。

 

 このBmal1は脂肪の合成を促す働きがあります。そして、1日のなかでその量は増減します。

 Bmal1の量が最も減るのが昼の2時ごろから4時ごろです。逆に増減するのが夜の10時から深夜2時ごろにかけてです。その量は、最も少ない午後2時の約20倍に相当することがわかっています。

 

f:id:Arato003:20180211114333p:plain

 

「夜遅く食べると太る」のは、Bmal1のはたらきで脂肪をため込みやすい体になっているからというのがわかります。

 また、昼夜逆転の不規則な生活を続けたり、朝日を浴びない生活が続くと、体内時計が常に夜だと勘違いしてBmal1が昼になっても減ることがなく、高止まりし、肥満の原因になるといわれています。

 

 ランナーのみなさんは脂肪蓄積による体重増加がランニング中のパフォーマンス低下となることをよく理解されていると思います。夜遅くの食事はあまり好ましくないのですが、食事がどうしても遅くなりがちのランナーは脂肪を必要以上に体へため込まないためにも、夜遅くの脂質の多い食事はできるだけ控えたものにしましょう。

 

本日は以上です^^

ありがとうございました。

 

 

 

参考文献

 「時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム」

日本栄養・食糧学会監修 香川靖雄編著 女子栄養大学出版部