ランナーズBlog

ランナーのための栄養学およびサイエンス

食事をする時間帯はいつがいいのか? 夜遅くからのランニング後の食事は??

2018.2.10(Sat)

 

こんにちは。

今日は上記タイトルの内容についてお話いたします。

 

みなさんは食事をする時間帯はいつも決まっていますか?

 

 

 今までは食べたものの総エネルギーが重視されていましたが、時間栄養学の研究により、食べる時間や朝昼晩の食事の比率で健康面やダイエットに影響を与えることがわかってきてます。

 日本人に肥満が増えている最大の原因は生活リズムの乱れにあります。同じ内容の食事でも、夜取るか朝取るかでエネルギーの利用のされ方に差があり、夜食べると太りやすいことが明らかになっています

 また、私たちの内臓には活発に活動する時間と、休憩する時間があることがわかっています。その時間帯は臓器によって異なるため、それぞれの活動時間帯を知り、リズムに沿って適した食事を取ることが大切です。

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午前(肝臓が活発に)

 肝臓は、毒物を解毒したり、脂肪の分解、栄養素の代謝に関わる器官です。早朝から働きはじめ、11時ごろにピークを迎えます。午前中は、脂肪の消化に関わる肝臓が活動的になってくるので、朝食は、油を少し多くとっても問題ないと考えられます。また、脳のエネルギー源となる糖質、体の材料となるたんぱく質もしっかり食べるのがベストです。

 

午後(胃が活発に)

 胃は、主にたんぱく質の消化をする器官です。12時ごろ活動が高まり、14時過ぎに最も活発になります。一日の食事のメインはこの時間帯に食べるほうが良いと考えられます。

 

夕方(膵臓が活発に)

 膵臓は、血糖のコントロールと、食べたものを消化する働きがあります。午後から夕方にかけ、糖質の吸収にかかわるインスリンの分泌が盛んになります。インスリンの分泌がピークになる夕方は、ある程度甘いものを食べても問題ないとも思われますが、もちろん食べ過ぎには注意です。

 

夜(腎臓が活発に)

 腎臓は、日中に解毒した老廃物を排出するために、夜に働きが活発になります。この働きをサポートするには十分な水分をとり、尿量を増やすことが大切です。

 

 

 以上のように、臓器によって活発に働く時間が異なることがお分かりになると思います。

 

 日中忙しくて、夜遅くからランニングされる方は、その後の食事も遅くなりがちだと思われます。夜遅めの食事は、臓器が休憩に入るころですので消化吸収が悪くなり、内臓に負担がかかってしまいます。もちろんランニング後の食事からの栄養補給はとても大切なのですが、夜遅く食べ過ぎると内臓は疲労してしまいます。それが原因で翌朝には食欲が低下してしまい、朝食をしっかり食べれなくなってしまうこともあります。

 なので、忙しくてランニングは夜遅くからしかできないという方は、分食をおすすめします。分食とは食事を分けて摂ることです。

 お仕事が夜の8時や9時ごろに終わりその後からランニングされるのなら、夕方5時から6時ごろに軽食をしておき、ランニング後の食事は普段の食事の5~7割程度だけ食べるのです。

 分食によりエネルギー確保はできますし、内臓への負担も軽減されると考えられます。

 

 僕も平日のランニングは毎回夜遅くからですので、分食をして内蔵に負担をかけないようにしてます。僕の場合仕事が夜8時半ごろに終わり、ランニングするのは9時ごろと遅めになってしまいます。ランニングが終わり帰宅したら10時前、それからすぐに風呂に入り食事をするのは10時半となってしまいます。なので僕は夕方6時くらいに一度軽食をし、ランニング後は消化の良い煮魚やヨーグルトなど、普段の食事の6割程度を摂取しています。その結果、翌朝の内臓への負担は全くなく、朝食もしっかりと食べることができています。

夜の食事が遅くなりがちなランナーのみなさんはぜひ分食を実践してみてくださいね。

 

今回は以上になります。

 

 

参考文献

 「時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム」

日本栄養・食糧学会監修 香川靖雄編著 女子栄養大学出版部